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【P#36】新型コロナウィルスへの対処の方法(5)〜欧米に比べ、日本は患者数が少ないのに国は警戒感を強めているのか?

新型コロナウイルスが昨年12月に報告されてから1年が過ぎた。

Johns Hopkins Universityのデータ(2020年12月11日現在)によると新型コロナウイルス感染者数は約7,000万人(「Johns Hopkins Corona Research Center」)。

厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症について」に最新の情報(2020年12月11日現在)が更新されており、感染者、重症者の数はともに増えていて、政府も危機意識を強めている。


そうはいうものの、
「海外に比べたら、重症者を含めた患者数が少ない!それにも関わらず、なぜ、警戒する必要があるのか?」
といった声も出ている。
しかも、冬にコロナウィルスの感染症が流行するとある程度予想されたにも関わらずだ。

それに対して、答えを与えてくれる記事がWEBに公開されていたので、紹介したい。
日本経済新聞の記事「コロナ病床逼迫、柔軟な運用欠く 病院多く医師分散」だ。
同記事によると、
人口千人当たりの病床数は日本は13床、主要7カ国(G7)ではドイツが8床、英米など5カ国は2~6床にとどまり、と日本の病床数は非常に多い。しかも、発症間もない患者に対応する急性期病床も8床と、6床のドイツや2~3床にとどまる他の5カ国より多い。
このように日本は、ハードは充実しているが、新型コロナ向け病床の整備は進んでいない。
実際、「第2波」(8月中旬)に約27,000床だった確保予定病床数は、12月に入ってもほとんど増えていない。
しかも、医師を含めた人材不足といった問題や、通常の救急医療と両立することも大事だという。
その背景は、医療現場の構造的問題にありそう。
実は、日本は中小規模の病院が多く、医療資源が分散されている。病院数は日本は約8,000でG7で最も多く、米国(6,000)を超えるという。
そして、先ほど紹介した記事によると、
各国の1病床あたり医師数を比較したところ、
米国の0.91人
日本は0.19人
と何と
「5分の1」!
フランス、ドイツと比べても3分の1の水準。看護師も同じ傾向というのだ。

さらに、拠点ごとの人員配置が薄い。現に集中治療専門医の不足が露呈しており、集中治療室(ICU)が10床以上あるのに専門医が1人という施設もあるという。

実際に私自身病院で研究をしていたこともあり、実感としてあるのだが、病院の経営の8割は民間。異なる経営母体の病院間の連携がしづらい面がある中で、コロナが直撃したというのだ。

おまけに、入院する数は、コロナウィルス陽性患者の約20,000人の4割にあたる約8千人(2020年12月現在)が入院。1日当たりの新規感染者が日本の6倍超に達する英国でも、入院者数は1.6倍の14,000人程度にとどまるというから、アクセスのしやすさが、逆に仇になっていそう。

では諸外国はどうか?
ドイツでは、ICU病床数を10,000床を確保するため、50,000ユーロの助成金を出す対策をとっている。スウェーデンはICUの空き状況を一括管理し、自治体の枠を超えて患者を搬送させることを行っている。そして、米国では、病院の縦割りをなくし、病床を融通しあって患者の増加に対応するといった施策が取られているという。
諸外国の情報ってなかなか入ってこないので、このような取り組みがされているということは、今後日本の医療も何らかの形で改善していけば、コロナウィルスの感染症への対策が整備されていくのでしょうね。
今回のコロナ禍は、企業のオンライン化や、個人事業主の働き方を変えるきっかけになっていると思うが、医療機関の働き方、どのような仕組みで将来、国民が持続的に医療のサービスを受けられるのか?考えさせられるきっかけになるのではないかと感じている。
天気が寒くなり、乾燥するとコロナウィルスを含むウィルスは、感染する確率が高まる。

手洗いに石鹸かアルコールか?皮膚の常在菌との関係で見るといいです」に書いたように、
新型コロナウイルス予防には、
石鹸で手洗いすることを勧めている。
もう少し詳しく書くと、
石鹸(出来たら合成石鹸よりも天然・無添加の石鹸)を使い、ゴシゴシ洗うのではなく、予め石鹸を泡立てた上で、汚れを浮き立たせて洗い流す方法
を行うことも。
なぜならば、アルコールや石鹸を使ってゴシゴシと手洗いすると、手にある常在菌も消毒されてしまう。そのため、皮膚のバリアが弱くなり、手が荒れるリスクが高まる。
ぜひ、この点、ご注意していただき、冬を乗り切っていただきたい。
後、ウィルス感染症予防に対して、ビタミンA、C、D3、亜鉛を取ることの重要性についても言われているが、それは、別の機会に紹介したい。

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