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【P#38】新型コロナウィルスへの対処の方法(3)〜「武漢での報告から3ヶ月」わかってきたことを中心にまとめた

2020年3月21日、午前11時より、ライフヘルスコンサルタントの中島隆文さん(以下ナカジーさん)とのコラボで、ZOOMを使った初めてのセミナーをSKIPとの共催で開催した。

テーマは、
「SKIPが考える花粉症対策とコロナウイルス」
について。
私は「コロナウイルス」について、ナカジーさんは「花粉症対策」についてそれぞれ、後半と前半に話した。

今回、私の「コロナウイルス」を取り上げたい。
私は医師ではなく、医学の研究者として免疫を、製薬会社へ移ってから疫学を学び、感染症については時々チェックしているので、何らかの情報共有ができると思い、過去に2度ブログにて考えを紹介させていただいた。
新型コロナウィルスへの対処の方法(1)〜何がわかっていて、検査の方法+どのように対処したらいいのか?
新型コロナウィルスへの対処の方法(2)〜病院へ行く必要かどうかはどう判断するか?
さて、武漢で初めて新型コロナウイルスが報告(2019年12月8日、WHOヘ報告は同年12月31日、当時で27症例)されてから、3ヶ月が過ぎた。
マスコミを含め、様々な情報が飛び交い、恐怖を煽る報道が多く見受けられた。WHOもインフォデック(INFORMATION(情報)+PANDEMIC(パンデミック))の言葉を出すほど、情報の真贋を見極める難しさを感じさせる。
その上に、世界各国の外出禁止令と学校閉鎖。
「なぜ、これらが行われているのか?」
情報量を抑えるつ、情報伝えることが大事だと思い、30分ほどで終わるような内容でセミナーを行った。

まずは、感染症の簡単な歴史からスタート。
欧州で発生したペストの流行を最小限に食い止めたヴェネツィア共和国が発明した検疫(患者の隔離、検疫のQUARANTINEは40日間という意味)から、コレラ流行、スペイン風邪等の感染症対人類の歴史、細菌とウイルスの違い、コロナウイルスの特徴などの情報のシェアを行った。
新型コロナウイルスは、蛋白質と核酸から構成。蛋白質が感染の鍵を握っているので、石鹸洗いやアルコール消毒で、感染力を大幅に低下させることができる。
なお、新型のコロナウイルスは、SARSに似た構造を持っているため、上気道だけではなく肺(下気道)へ感染する確率が高い(メインな場所については、下記の図参照)

そして、感染力が非常に強く飛沫感染(咳や鼻水含めた症状)、接触感染(感染者が触れた場所による感染)、換気の悪い場所での感染等をを通じて広まっていったことを話した。

学校閉鎖が行われているが、なぜ世界各地でこのようなことが行われているのか?

上記の図を見ていただいたいが、日本で重症患者を治療できる病院は限られており、患者が殺到すると、一気に病院がパンク(医療崩壊)を起こす。それを避けるため、患者増加のスピードを抑えるため、経済に影響の及ぼさない、子供の出回りを避けることで行われたことを説明した。
後にわかったことだが、SARSの場合には、このようなアプローチをとることで、患者がゼロになるまで押さえ込むことが成功したという(残念ながらコロナウイルスはそうなっていない)。
実際、2020年3月9日のデータをみると、少しずつ新規の患者が抑えられていることがわかる(下記のグラフ)。

世界と日本はつながっているので、増加する欧米からの患者がこれから流入してくる可能性はゼロではないが、今のところ厚生労働省のデータが信頼できるものとして考えたら、日本は検討している方だと思う。
面白いのは、米国で流行しているインフルエンザが日本では、流行していないこと。例年に比べピークが3分の1まで押さえ込まれている(下記のグラフのうち、一番右のピーク参照)

さて、コロナウイルスだが、中国とイタリア、及びWHOが発表したデータから、重症例が8割、2割の方が入院すること。1〜3%の致死率(感染が確認された人のうち死亡する人の率)や潜伏期間が1日〜14日といったことがわかってきた。特徴的な症状は、咳、痰と呼吸困難だ。

他には、
1)高齢者に多いこと
2)循環器疾患、高血圧、糖尿病、がんなどの病気を抱えた方は死亡率が高い
等(下記のデータをご参照ください)。



米国のJohns Hopkins Univ.のCOVID-19 MAP(2020年3月22日現在、毎日世界中の患者数を公開)によると、全世界の患者数が307,000人で、思いの外、ヨーロッパが多いことがわかっている。

イタリア人は、感染が確認された53,578人のうち4,825人が死亡例(ほぼ1割)だが、他の国はそれほどの高い率になっていない。参考に、日本では1,055人のうち35人が死亡している。
さて、検査をすべきか否かについて。
マスコミやSNSでは、薬剤師や医師の国家資格を保有している医療従事者は、
「コロナウイルスで行うPCR検査を全ての日本人に行ったほうがいい」
と推奨するという人もいる。

PCR検査(今回使われているのは、より精密なRT-PCR検査)は、米国で30万円、日本で18,000円もかかる検査(保険適用)で、10,000人受けたとしたら、1億8000万円!もかかってしまう。
保険財政が逼迫している中で、果たしてこれでいいのか?
しかも、厚生労働省でコロナウイルスの治療にあたっている高山義浩先生によると、PCR検査の感度は70%。
つまり、陽性患者のうち30%の方を偽陰性(間違って「陽性」と判断してしまう)と判断してしまうとのことだ。
要は、
「10,000人のうち3,000人は偽陰性として判断されるので、1億8000万円かけて検査を行うべきなのか?」
更に、鼻水や痰にウイルスの濃度が高い。鼻や喉から検体を採取するので、くしゃみによって医療従事者や、院内の他の検査待ちの患者に感染する可能性が高まる。そのため、一般クリニックではなく、換気の行き届いている特殊なクリニックでの検査が大事だ。
事実として、80%は軽症で寛解していることがわかってきている。
大事なのは、残りの20%の重症な患者が適切に治療を受けること。自然治癒で済む、軽症な患者が病院に殺到することで発生する医療崩壊を避けることが大事なのではないか?
と思う。
そう考えると、コロナウイルスを感染した人の数を増やすよりも、重症になった人や重症になりうる人を検査して、治療へ進めることが重要なのではないか、とセミナーでは考えを紹介した。

まとめると、
1)予防策を講じる(うがい、手洗い)
2)感染した場合、免疫力を高めることで、8割は軽症なので、自然治癒していく(通常の風邪と同じ)
3)病院へ行くタイミングは、2、3日様子を見る。呼吸困難な場合には病院の医師に相談する
となる。
今回ZOOMでセミナーを行ったが、思いの外、使いやすいことがわかった。
身体の学校・ZERO塾も今後、サロン・ZERO以外にZOOMで提供していく予定ですので、ご案内させていただきます!

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