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【P#31】『香りと身体』〜嗅覚や香りがどのように身体に影響するか?何を知っていればいいか?

2019年5月21日(火)、午後8時より、サロン・ZEROにて、化粧品スペシャリストの本庄鉄弥さんを招いて、
「嗅覚や香りがどのように身体に影響を与えるのか?」
というテーマで妻の亜希子の食事付きでの講演を開催させていただいた。

恵比寿・代官山のサロンへ引っ越してから外部演者を招くの初で、令和に入り、初めての講演会。イベントは今回もSKIPとの共催という形をとった。

最近巷では「香害」という単語があるように、人工的に作った香りによる体の不調がありニュースにも取り上げられている。そして、化学物質過敏症も香りによって発症するときもあるという。

実際、化学物質過敏症支援センターの情報によると、化内山巌雄・京都大学大学院教授らは、成人を対象に行った調査から全国で約70万人の化学物質過敏症の発症者数が認められているという。
私も、匂いによって、気分が良くなったり、悪くなったりする。

しかも、ロルフィングのセッション(ロルフィングについては「ロルフィングとは?」参照)でも、たまにアロマを使って、筋肉を緩めることをするので、身体的な影響は意外と大きいということに気づかされる。
そもそも消臭剤ってどんな原理でにおいを消しているのか?
なぜ、匂いに関する病気が増えているのか?
なかなか、学ぶ機会が少ない。

今回、匂いについて、科学的なことでわかっていることを中心に話を伺うことができた。
まず、香りと身体との関係について。

香りは、五感(嗅覚・触覚・視覚、味覚、聴覚)の中で、直接、大脳辺縁系に働きかける唯一の感覚。
そして、すぐに視床下部に伝わっていくので、頭で考えるよりもすぐに気分に影響を与えることになる。

興味深いのは、香りは、鼻の呼吸から肺へ、肺から血液全身に広がっていく経路もあること。普通、食事の場合には、食道から、胃、十二指腸で消化、小腸で吸収される。門脈を経由して一旦は、肝臓へ。そこで解毒・加工された後、血液に乗って全身に広がっていく。肝臓を経ないで、全身に循環する。
他にも、皮膚から直接血液に乗る経路もあるので、香りは、五感の中で独自性を発揮している。
このような知識を念頭に、
香りの歴史を考える際には、「隠す」「癒す」の2つの視点が必要とのこと。

香りを「隠す」歴史。消臭の技術は、シャネル5や、日本で有名な某消臭剤等の事例を挙げなから、説明していった。

面白いのは、除菌消臭剤の恐怖として、消臭効果があったとしても、消臭剤が菌の栄養となり、効果を終えた後に、菌が増えていってしまう例があること。

そして、様々な匂いに囲まれて生きていることから、現在の香害の問題が起きていることを説明していった。

問題なのは、香害が報告されても、規制が難しいこと。原因物質が特定しにくい、被害が数%未満、香りの感じ方は人それぞれ、といった課題があるので、規制するのが難しいという。

さて、
香りには、もう一つ「癒す」効果もある

ギリシア人の医師・ヒポクラテスが
「健康は、芳香風呂に入り、精油マッサージを毎日行うことである」
と言い伝えられているように、医療と香りは密接に関わっており、

伝統的に、
イギリス式は、リラクゼーション、癒し(化粧品)
フランス式は、治療、免疫力を高める(医療品相当)
として扱われていた。
日本は、イギリス式が70年代から入ってきたので、リラクゼーション色が強い(その後、フランス式も90年代入ってきた)
面白いのは、日本でのアロマは、医薬品・化粧品ではなく「雑貨」の扱いになっていることだ。


医療の方は、成分が何が入っているのか重視されることや、精神への影響はどのアロマか、香料の市場はどれだけの規模なのか?と話していくうちに、2時間半が過ぎ、あっという間のセミナーが終わった。
今回も妻の亜希子が食事を用意させていただきました。

メニューは
自然栽培米の玄米(蒜山工藝さんのお米)
サニーレタスと、紫水菜のサラダ レモンサラダ
塩ゆでブロッコリー
塩ゆで人参
高野豆腐の唐揚げ
大根と大葉の浅漬け
野菜いいっぱいの豆乳クリームスープ
甘酒チョコレートジェラート
でした。
次回は、本庄さんによる皮膚ケアについてになる予定。もしご興味がありましたら、ご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。

最後に、過去のSKIPと共催したイベントについては以前のブログ記事でまとめていますので、ご参考になれば幸いです。
1月の「化学農業vs有機農業」(「『化学農業vs無農薬農業vs有機農業』〜食事の材料をどのように理解したらいいのか?」参照)
2月の「栄養・サプリメント」(「『食事の栄養とサプリメントの栄養の違い』〜食事の消化・吸収について」参照)
3月の「糖質制限」(「『糖質制限を知る』〜糖質制限をすると何が起こるのか?筋肉が落ちることを含め」参照)
4月の「老化」(『老化について』〜どのように老化を考えるか?〜細胞に組み込まれたプログラムとしての老化」参照)

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