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【Y#26】音と内臓〜シックス・ヒーリング・サウンズ

表参道のTaozenにて、2015年8月16日にチネイザン(氣内臓)の練習会、2015年8月22日と23日の午前中までの1日半のシックス・ヒーリング・サウンズについて集中的に学ぶ機会かあった。上記の2日間半。一番の学びは、陰陽五行説を元に、音で内臓に影響を及ぼすことのできるシックス・ヒーリング・サウンズについて自分で練習ができるようになったこと。
Business conversations
中国の陰陽五行説については【氣内臓コラムVol.11】で、万物は、木、火、土、金、水と5種類の要素と陰と陽の組み合わせてできたことを表していることや、日本も、月と太陽を加えて、一週間の名前として残っていること、季節では春、夏、土用、秋、冬をそれぞれ表し、方角では東、南、中央、西、北となっていることについて触れた。
globe_nasa
中医学では、身体全体に対して「五臓六腑」という言葉が使われる。陰陽五行説とも関係があり、人間の内臓全体を言い表すときに用いられる。「五臓」とは、肝・心・脾・肺・腎を指し、心包を加え六臓とすることもある。「六腑」とは、胆のう・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦を指す。臓は袋、腑は容器を満たしたものという意味があるという。臓と腑は関係を持っており、肝臓−胆のう、心臓−小腸、脾−胃、肺−大腸、腎−膀胱、心包−三焦となっている。現代の解剖学でも使われている用語もあるが、心包や三焦のように実態とは乖離したものもある。興味深いのは中医学には脳を臓器として扱っていない点。この点に関しては不明とのこと。
five_puzzles
参考に、心包は、筋膜に近い概念で、三焦は、上焦は横隔膜より上部、中焦は上腹部、下焦はへそ以下という3箇所に分けて身体を捉える考えであるが、内分泌臓器の総称とも、リンパ管と言われる説もあるという。いずれにせよ、中国医学では生きた身体を解剖をすることでこのような概念を導き出したらしく、根本的に西洋医学と異なる考えと考えたほうがいいと思う。脱線するが、「ありのままの見たままの解剖図を描く」という現代解剖学が発達するのは、ルネサンス時代以降。それ以前には、中医学の「五臓六腑」以外に仏教での曼荼羅など、身体の表現法については文化によって異なる身体の描き方があったという。
group decision making
さて、五臓六腑における各関係については、大内さんによると各臓器は100点満点はあり得ないという。その点に関して、よしもとばなな氏の「Q健康って?」(以前、【RolfingコラムVol.73】で触れた)
index
で大内さんは以下の言葉で語っている。
「全部の臓器が100%健康というのはあり得ないと僕は思うのです。もしかしたら、僕の肝臓は100がいいとしたら最高の状態でも70しかないかもしれないんですよ。もしかしたらね。じゃあ、そういう僕が健康っていう状態なり得ないかっていうとそんなことはないと思うのですよ。
(略)
70%の人でも健康であり得ると思うのは、例えば肝臓は肝臓だけで生きていけないんですよ。肝臓だけ取り上げてもたいしては生きていけないんですよ。肝臓は他の臓器とお互いに完全に頼りあって生きていると思うのです。同じように心臓もみんなと。連絡しあってるだけではなくて、お互いに完全に頼りあって生きてるっていうことを認識してなんとなくバランスが取れてる、それが健康っていうんじゃないかなと思っているのです。
(略)
なんとなく70%〜80%ぐらいがそこそこ楽で楽しい状態を健康というんじゃないかなぁと思うんです」
では、70や100って何?どのようにして判断するのか?自分の中に身体があるので、人間というのは、そうとう冷静ではないと判断できるのが難しいという。西洋医学では数値を用いて、内臓の働きはどのようになっているのか?を図っていくわけだが、東洋医学では、内臓同士がどのようにして協力しあって調和を取っていったらいいのか?を考えて、個別に対応するのではなく、全体のバランスを整えていくことを考える。その際に、シックス・ヒーリング・サウンズが役立つ。
hearing_vs_listening
シックス・ヒーリング・サウンズ(漢字では、六時訣)は、各臓器にはそれぞれ固有の音(インドで言えばマントラ)と色があり、内臓を身体のストレッチと共に広げるときに音や色を発することで、臓器を100点満点にするというよりも、ポテンシャルを最大限発揮させ、身体が内臓を通じて調和の取れた状態を目指していく。
参考に各音と色の対応は以下の通りだ。
肺=Seeeee、白、腎臓=Chuuuu、濃青、肝臓=Sshhh、緑、心臓=Hhaaww、赤、脾臓=Kwhoo、黄、三焦=Heeee、ゴールド
いわば、音と色を内臓に響かせることで共同して私の身体を作っていくというイメージを考えればいいと思う。そして、興味深いことに内臓の一つ一つは感情に結びつくという。例えば、腎臓は恐れ、肝臓は怒り、心臓は傲慢さ等。ただ、注意したいのは、西洋の感情と東洋の感情の意味は異なること。東洋の心は、考え、感情、生き方、あり方、生き方、直感を全て含むのに対して、西洋はそれぞれ別個に扱うという。
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シックス・ヒーリング・サウンズは夜行うことを推奨。その理由としては、夜睡眠を取りやすくするためと、夜に内臓が1日の疲れをリセットするわけだが、それをより効率的にできるようになるからだそうだ。潜在意識が優位に働く睡眠時間帯に少しでも内臓のリセットを促進するのに役立つ、シックス・ヒーリング・サウンズ。音を通じて内臓や感情にも大きな影響を及ぼすというが、これから瞑想と共に自分の身体で実験しようと思う。果たしてどうなるか?これから本コラムでも触れていきたい。

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