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歴史の使い方 堺屋太一 11冊目

歴史について語った本がたくさん出ているが、実際に歴史を使ってどうしたら面白いのかについて語った本は少ないと思う。堺屋太一氏は経済企画庁長官も務 めた著名な人物であるが、歴史小説としても豊臣秀吉の名補佐官「豊臣秀長」、忠臣蔵を描いた「峠の群像」などを書いている。
堺屋氏によ ると、歴史を楽しむには、三つあるとのこと。一つ目は、理屈抜きで楽しむこと。二つ目は、歴史が面白くなれば、次は少しばかり歴史を威張ってみる。例え ば、一般的に知られていない事実についてどんどん深く詳しくなること。そして第三段目は、歴史を疑い、歴史の空白を想像すること。例えば、歴史には意外な 部分が欠落していることがある。まとまった組織史や情報史はほとんど研究されていないなど。
これを念頭に歴史について、「知る」「楽しむ」「練る」をはじめ8章に分けて、歴史の魅力について縦横無尽に語っている。私が印象に残ったことをいくつか取り上げたいと思う。
#日本の歴史について
1)日本史の特質は
歴史の継続性(途切れることなくづつくこと)
単一性(日本はいつでも日本であること)
純粋性(支配したことも支配されたこともない)
にある。
2)地域と民族の歴史一致したところはほかにない。
3)時間と費用を無視できる使節や留学生の往来はできたが、人や物を計画的に大量輸送することはできなかった。生糸や陶磁器、文化文物などの高級品か金銀銅の交易は引き合ったとしても、日常的な食品、家畜、木材の運搬は、コスト倒れになった。
#歴史区分の特徴について
1)日本史の歴史区分は、全て首都機能の所在地
2)西洋史は主要な文明史
3)中国中心の東洋史は王朝別に区別された王朝史
#体制が崩壊するのは
およそ伝統と規模と組織の確立した大切が崩壊するのは、二つの場合のみ。
第一は、治安が維持できなかったとき。例えば、敵に占領されること。キューバ革命、ベトナム戦争、アフガニスタンのタリバンなど
第二は、文化の破たん、つまりその体制の支配階層の「文化」が信用と尊敬を失った場合。文化の破たんは、被支配階級を失望させるだけではなく、支配階級をも退廃させる。
例えば、明治維新が起きたのは、武士の文化が否定されたため。社会主義が崩壊したのは、その文化が信用をなくしたため。
こうみると、歴史は自分に新たな視点を提供してくれるし、その奥深さ、洞察を与えてくれるように思える。歴史を考える際には、堺屋氏の歴史に対する考え方を参考にしながら、いろいろな視点で持って考えていきたい。
歴史の使い方 (日経ビジネス人文庫 グリーン さ 3-6)/堺屋 太一

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