【W#100】ロンドン(4)〜文化発信と雑感
現在、米国のハワイに滞在中で、ロサンゼルスの記事を書き終えたところだ。英国について一つ記事を公開し忘れたものがあった。せっかくなのでその記事を紹介したいと思う。
英国は19世紀の7つの海を支配し世界制覇した時代からはだいぶ過ぎているが、経済誌(Economist)やBBCを通じた質の高い世界情勢に関する情報発信が継続的に行われている。
アートに関してもロンドンの美術館は様々な作品があり、美術館は無料で展示しているところもある。興味深いのはアートの売買がロンドンで発達したこと。世界最古の競売会社のサザビーズやクリスティーズもロンドンを本拠地に置く。
英国滞在期間中にテートモダンをみたが、いずれも無料で公開。テートモダンの場合には発電所を再利用し再生するという方法に興味が湧いた。日本では新しいものを作るということを考えるけど、こういった古いものを新たに蘇らせ、お客を呼ぶというのは面白い取り組みだと思う。
NatureやLancetを含めた質の高い科学情報も発信している上、ノーベル賞受賞もアメリカに次いで、第2位。教育産業も頂点のオクスフォード、ケンブリッジ大学を中心に盛んで様々な分野のことが学べる。
ノーベル賞も米国に次いで第2位。英国のキャベンディッシュ研究所は研究所単体として27人のノーベル賞を生んでいる。
英語という世界の共通言語という言語を有する国であるということが大きな強みであるが、音楽を含め、無形の文化財産を発信でき、現在でも英国は存在感がある。人口減で経済発展が見込まれていない日本がどのように生きていったらいいのか?英国にはヒントが満載だと思う。将来どこかの時点で自分自身がロンドンに住んでみたいと思っているのはそういったことのヒントとなるものを見つけてみたいためと好奇心もある。
現地の在住の人の話を聞いていると、他のヨーロッパの国に比べると独立心が旺盛。多民族も受け入れる土壌があるとのこと。確かに、インド系、アラブ系、黒人系など他のヨーロッパ諸国では見られなかった人たちが多かった。会社もクビになりやすいが、再チャレンジする文化もあり、二度、三度のやり直しに対して、社会が許容できる文化がある。その上で英国は、アメリカと違って礼儀を重んじ、リスペクトする気持ちもある。
ロンドンには、遊び心も感じさせることがいくつかある。
例えば、1ポンドのコイン。エリザベス女王の肖像画が記されているが、年代を追うことで髪型やその姿が変わること。現地の人に聞くまではそこまでは意識できなかった。
また交通機関は遅れる、運行中止になるというのが日常茶飯事になるのがロンドン。その広告も言い訳じみていておかしい。バスや電車でこれだけ輸送に改善が認められたんだよ、とかバスを待つことに対して今後はないです(「待つ必要がありません」というバックが売っているという広告)。といった広告が駅に展示されているのがおかしかった。日本では4週間で99%が電車が時間通りに来たというとおそらく残りの1%に目がいくことでしょう。
私は何度かロンドンに来ているが、東京が若者の街とすると、ロンドンは失敗を許容する成熟した大人の街に感じる。今年も、一度立ち寄る予定のこの街。次はどういった発見をするのか楽しみだ。