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【J#58】『古事記』を読むと見えてくる世界(1):古事記の大枠を知ろう!

2019年7月7日の七夕。サロン・ZEROで外部講師を招いた「古事記」のセミナーを初めて開催した。
みなさん、「古事記」といえば、何を思い浮かべるでしょうか?
の書物、色々な神が出てくる、神道となんらかの関係がある等。
本コラムでも紹介したように、私も様々な神社へ参拝に伺う機会があった。
例えば、
1)秩父三社(「三峯神社へのアクセスと境内を散策して」「三峯神社・奥宮へ参拝して」「宝登山神社+奥宮と秩父神社を参拝して。」参照)

2)東国三社(「早朝の鹿島神宮参拝を行う。」「息栖神社と香取神宮を訪れて。」参照)

3)熊野と伊勢神宮(「伊勢神宮参拝:日本文化に触れる旅になった。」参照)

しかし、神社の元となった「古事記」について、読んだものの、
「何でこのような内容の書物が昔からあるのか?」
そして、
「日本人にどのような影響を及ぼしたのか?」
改めて勉強をしたことがなく書物のみの勉強にとどまってた。

以前から懇意にさせていただいている神辺菊之助先生(以下神辺先生)とは、古事記をキリスト教や西洋と比べて語っていることに興味をもち、一度サロンに招きたいと思っていた。
今回はご縁をいただき、神辺先生を招いて「古事記」についてのセミナーを開催。今回はイントロ編として、どのような形でセミナーを開催するか、についての紹介がメイン。今後、全4回のセミナーを通じて、古事記の冒頭部分を読むことを予定している。
神辺先生の履歴を簡単に書くと、国際基督教大学卒(専攻は応用経済学)。
大学を卒業後、大手IT企業に勤務する傍ら、 現ハーバード大学所属の 宮永國子博士から文化人類学を学ぶ。
黎明期からインターネットビジネスの立ち上げに従事する中で、 ティム・バーナーズ・リー(WWW開発者)や レイ・カーツワイル(シンギュラリティ提唱者)など、 IT社会の基礎を構築した人々がキリスト教の強い影響下にあったということが、日本国内では、業界内でも一部にしか知られていないことに疑問を持ち、 テクノロジーと思想との関係に興味を抱く。
日本の失われた30年、次世代に対するビジョン・構想が日本発からあまり出てこないことについて、 ヨーロッパやアメリカが宗教改革以来体得した思考法の欠落が原因なのではと考え、 従来とは異なる手法で『古事記』の原書講読を始める。
ヒントとなったのが、ジャン・カルヴァンによる聖書の読み方。
神辺先生によるとカルヴァンの聖書の読み方には3つあるという。
1)「聖書」の解釈は「聖書」のみによって行う
2)「聖書」は統一した考えに基づいているものとして読む
3)「聖書」の統一した考えは簡潔である

実は、古事記をテキスト通りに読むという視点が意外となかったらしく、その点を神辺先生は説明していたが、意外と思った。実際に、4回のセミナーで5年間原書購読した結果わかったことを、一つ一つ、事実に基づいて神辺先生は説明していくので、スピリチュアルの文脈で捉えがちな古事記に対して違った見方ができ、面白い内容になりそうでいい。

例えば、「古事記」の国生みに至る冒頭部分を、『古事記』の中に入っている論理に従って読み解いていくと、埋もれていた日本のおおもとの思想が現れてくる可能性が高い。そして、それは世界の秩序が揺らいできている「今」を生きるための「過去に書かれた未来の智慧」が出てくることも。


今回のセミナーでは、「古事記」の成り立ちは?どのような時代背景があったのか?仏教との関係は?稗田阿礼の役割、同時代の世界情勢(書き言葉がなかった時代から書き言葉が確立した時代への移り変わり)、『古事記』の構成上の特徴など、関連学会の最新の研究成果も踏まえて多角的な側面から『古事記』の全体像の概略の説明を行った。

古事記の編纂の目的は天皇の教育のためだったらしい。日本書紀は、中国古典の「淮南子」の冒頭部分をコピー・ペーストしていること等、えええ、と思うこともあり、次回以降に期待を持たせる内容だった。

今回もご参加していただいた方に料理のご準備にご協力いただき、スタッフを入れて9名の食事を提供させていただいた。次回は8月に開催予定です。もしご興味がありましたら、ご案内させていただきます。
 

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