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【Y#82】からだの学校(9)〜弁証とは何か?東洋医学の手順を学ぶ〜証を立てること、病因を探ること

2019年10月6日(日)、「からだの学校【東洋医学】@Kei.K Aroma Studio(神奈川)」(開催は、Kei.K Aroma Studio)の講座(講座は全6日間)の6回目(最終回)を受講した。
講師は札幌在住の風の音の治療院・安部雅道先生(鍼灸師、以下安部さん)。

毎回2コマに分かれて行うが、今回のセミナーの内容は「弁証について」だった。
西洋医学は、「一般化できること(普遍性)」「客観的であること(客観性)」「論理的であること(論理性)」の3つの考えが核となっている。
大学の医学部(アメリカの場合には医学大学院)で、体系的に学ぶことで誰もが身につけられるような教育プログラムが確立されている。
西洋医学の治療は、
「主訴」→「診 察」→「診断」→「治療」
の順番に行われる。

一連の過程は手順化(プロトコールと呼ぶ)されており、カルテに記載。誰もが再現できるようにしていくところにポイントが置かれている。診断の際、様々な検査方法(血液検査、MRI、CT、レントゲン等)が使われ、データとして定量化。病名を確定させる。
その後、治療へ。
余談だが、
私は、治療の手段の一つとして、製薬会社で薬の開発・販売戦略に携わっていたが、
1)品質の確保(製造工程の一つ一つの手順はどうなっているのか)
2)薬の安全性・有効性の担保(臨床試験がプロトコール通り行なっていて、患者で有効性を示しているか)
3)薬の販売及び情報伝達(薬に記載されている適応通りに情報を医師へ伝えているか)
の3つのステップで法律や製薬業界内の自主規制で縛りの中、仕事をしていた。
医学系大学院で研究者として働いた経験もあるが、西洋医学でもっとも重視されるのは、言葉。
副作用、有害事象、主訴を含め、一つ一つ言葉の意味が決まっており、製薬業界では、データベース化している。言葉の定義がしっかりとしていないと論理性を担保できないから、というのが大きな理由だが、共通言語で病気について語れるというのは一つの大きな強みだと思っている。

さて、今回の安部さんのセミナーでは「弁証について」学ぶことで、東洋医学の診断の基礎について学ぶことができた。
弁証の意味は、心と体、臓腑、経絡がどうなっているのかを判断すること。別名「証を立てること」。
東洋では、症状が同じでも原因が違うので、一つの症状ではなく全体で見ることが重視されるという。

そこで、証の立て方だが、
八綱弁証(はちこうべんしょう)、氣血津液弁証、臓腑弁証の3つの方法が取られるが、いきなり五行や五臓で考えないことがポイントだ。なぜなら、最初から細部(内臓の状態)を見てしまうと全体を見失ってしまうからだ。
東洋医学では、本治と標治の2つがあるが、本治は、原因に対しての治療、標治は、今表面に現れている症状への治療として考えることができる。対処療法が中心な西洋では、この言葉が治療の中で出てこないが、標治は、腰の治療、腰を管理している腎の治療や食事、生活指導を指すのに対して、本治は、腎が弱るような生活をしたくなる原因の治療や食事、生活指導を行うことに相当する。
基本、東洋医学では、本治と標治を組み合わせて行なっていく。
東洋医学では、問診を使って「今の状態を理解する」のだが、そこで役立つのが八綱弁証。
八綱弁証には、陰陽、虚実、寒熱、表裏の8つの基準で見ていくが、基本は陰陽。
陰性、陽性のどちらが強いのか?
相手の聞き取りから探っていく。

次に、虚実。
抵抗力や体力の強弱、病勢の盛衰などを使って判断。
氣(正気)が不足しているのか=虚(症状が弱い、長く続く)
病邪が存在するのか=実(症状が強い、急に強くなる、間欠的)
で見ていくことになる。
病因=病邪に関しては、東洋医学の独自の見方だと思うが、外因、内因、不内外因の3つの原因があり、気象条件(外因)、精神・心理条件(内因)、社会・生活条件(不内外因)に分けることができる。
例えば、頭痛の場合は、風邪(外因)、ストレス(内因)、暴食(不内外因)、となるが、心理・社会・精神の状態を季節の条件と同列に扱っていくのは、面白い。
興味深かったのは、内因と不内外因。
内因は、感情(七情)で判断していくのだが、
心の五精は「神」=感情を持っている
腎の五精は「志」=感情をコントロール
と考え、腎が弱まると感情的になると考えている点、五行の水で学んだが、改めて学ぶとなるほど、って感じた。
五行でも説明があったが、怒(肝)、喜(心)、思(脾)、悲(肺、心)、憂(肺)、恐(腎)、驚(腎)とそれぞれの内臓には感情があり、相克・相生関係で見ていくと、内因をより深く見れるようになる。
不内外因は、飲食等を取り上げていたが、過食、脂っこい過食、生冷の過食、偏食によってどのような影響があるのか、見ることの大切さを学ぶことができた。

八綱弁証の他には、寒や熱の影響を受けているのか?(寒熱)と、外因の深い・浅いと病勢の軽さ・重さから判断(表裏)の4つがあり、この合計8つを使うことになる。
問診では、八綱弁証を使って、
1)いつから、そのような状態になっているのか?
2)なにが原因なのか?(季節の変化、生活の変化(仕事・食生活・睡眠・環境)
そして根本的な原因を探っていくため、症状を時系列で並べ、一つの繋がり(ストーリー)を組み立てていく。

今回、セミナーの最後では問診表に2つのケーススタディを紹介。東洋医学の考えの基本を網羅する内容だった。東洋医学も論理的な思考でストーリーを組み立てていくところは、西洋医学と似ていると感じた。
今回、安部さんの「からだの学校【東洋医学】@Kei.K Aroma Studio(神奈川)」を受講することで、医学には別の尺度があることを学べたのが大きい。東洋医学が一番、西洋医学が一番と考えるのではなく、それぞれの良さ、視点があると思うようになった。
それぞれを取り入れつつ、自分が食事のクラスやロルフィングのセッションを提供していくときには取り入れて行きたいと考えている。

このような素晴らしい内容をわかりやすく6ヶ月近く、情報をシェアいただいた安部さん、学ぶ場を提供いただいた小林ケイさんには本当に感謝です。
来年も神奈川で受講を計画中とのことです。もしご興味がありましたら、是非とも札幌在住の風の音の治療院・安部雅道先生までお問い合わせください。
参考に、最後に過去の記事を紹介して終えたい。
陰陽五行説:「東洋医学の基本的な考え方に触れる:陰陽説、五行説、自分で基準を作る
五行論
木+火:「心・肝について:感情、生理、睡眠及び西洋医学との関係性
土:「脾について:消化器の働きを管理し、食事による影響を受ける
金:「肺について:バリアの役割と選択、腸内細菌、皮膚症状等
水:「腎・膀胱について〜エネルギーを蓄える、ストレスに対応、血液の調整等
東洋医学の概論
氣:「「氣」とは何か?〜五行論をどう結びつけるのか?と臓器間のコミュニケーション
血・水:「「血」「水」とは何か?〜どのように作られ、処理されていくのか?東洋と西洋との違いを含め
経絡:「経絡とは何か?〜氣と血の通り道:12本の道+ミッドラインを整えること

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