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【Y#73】自分で生理を調える東洋医学講座:生理を西洋と東洋から見るとどうなるのか?ホルモンと氣・血・熱

2019年6月2日(日)、「からだの学校【東洋医学】@Kei.K Aroma Studio(神奈川)」(開催は、Kei.K Aroma Studio)の講座(講座は全6日間)の3回目を受講後(3回目の模様については「脾について:消化器の働きを管理し、食事による影響を受ける」「肺について:バリアの役割と選択、腸内細菌、皮膚症状等」参照)、「自分で生理を調える東洋医学講座」を受けた。

講師は札幌在住の風の音の治療院・の安部雅道先生(以下安部さん)。
ロルフィングにお越しいただいているお客さんの7割近くは女性。
生理不順、PMS(月経前症候群)、不妊治療等、数えきれない程の悩みを持った方がいらっしゃるので、西洋医学で何がわかっているのか、以前から少しずつ学ぶ機会を設けて、妻からも関連書籍を紹介いただいたこともあった。

私は、女性の生理周期を知るためには
1)ホルモンの働き(西洋医学との関係)
2)骨盤の動き(ロルフィングとの関係)
の二つのポイントがあると思っている。

第一のホルモンの働きだが、脳(視床下部・下垂体)と卵巣、子宮内膜の間の情報のやり取りを行う物質として考えればいい。
一見、何種類かのホルモンが出ていて、わかりにくいかもしれないが、
「脳の視床下部から指令が出て、情報を徐々に増幅させながら、身体へと伝えていく」
と考えると、シンプルに考えられると思っている。

視床下部から出る性線ホルモン刺激ホルモン(ゴナドトロピン放出ホルモン)の量は微量だが、その刺激を受けて性線刺激ホルモン(ゴナドトロピン(LHとFSH))や女性ホルモン(エストラジオール(E2)、プロゲステロン(P))がその情報を増幅させ、卵巣や子宮に指令を伝えていくことになる。
このプロセスで、月に1回行い、妊娠するための準備をしていく(下記の図は安部さんが作成したもの)。

生理の初日を生理周期の1日目として数えるとして、
生理のプロセスを細かく見ていくと、
1)月経期(生理、4〜5日間):リセットの期間;妊娠が成り立たなかった場合、子宮内膜が剥がれ、経血として体外へ(Pの産生が落ちて、子宮内膜が剥がれ落ちる)
2)卵胞期(生理初日から2週間):卵胞を育て、子宮内膜が厚くなる期間(卵胞を成熟させるFSHと、子宮内膜を増殖させるE2が働く)
3)排卵期(生理が始まる14日前):卵胞から卵子が出る期間(E2がピークに。LHが大量に放出(LHサージ)することで排卵が起きる)
4)黄体期(排卵から生理が始まるまで):受精卵の着床準備をする期間(卵子を出した後卵胞は黄体という組織へ変化。Pを作ることで、子宮内膜を柔らかくする、Pは子宮内膜の増殖を抑制する)
の4つの周期に分けることができる。

そして、第二の骨盤。
ロルフィングでは、身体が整うと、生理不順が改善する可能性が高い。
何故ならば、骨盤の状態は、生理とも関係するからだ。
例えば、骨盤の動きは、以下のように生理と連動する。
1)月経期:生理初日に骨盤が開き始め、2日目にもっとも骨盤が開く。3日目に骨盤が開いたまま下がる
2)卵胞期:生理4日目、反動で閉じ始める
3)排卵期:E2の分泌が最大の時に、骨盤がもっとも閉じる
4)黄体期:Pが出始める時に、徐々に骨盤が開き始める

西洋医学では、
「目に見えるもの」=「ホルモンの量」「卵巣で起きている」
と考え、臨床検査でどのホルモンが正常・異常なのか、原因を特定して、医師が各々の問題に対処していく。

これだと安部さんは
「複雑すぎるから、もっとシンプルに考えようよ!」
と生理と東洋医学との関係に注目。
もっとシンプルに伝えたいという気持ちがあり、安部さんは生理講座を開催するようになった。

東洋医学だと、
1)準備=卵胞期(排卵・受精のために体に氣・血・熱を貯める)
2)本番=排卵期〜黄体期
3)リセット=月経期(約28日に1回、血といらなくなった(使わなかった氣・血・熱)を外に出す)
とまとめることができる。
そして、
「身体の下の方から出す」
という東洋医学の考えを適用すると、
「生理に合わせて、いらない物を下腹部に集めて排出する」
ため、
下から出せないと、他のところから出すから問題が起きることになる。

例えば、
PMSは、いらない物が多すぎて出すのが大変だという人に起こるとなるし、慢性的な症状や生理的な症状として現れる人は、いらない物が足りなくて出せない人を指すことになる。
更年期は、加齢によって氣・血が減っていくことが原因であり、今まで生理で排出していたいらないものが外に出せなくなる、巡りが悪くなるから起きることになる。
そのように見ると、
生理は、身体内のゴミを集めてくるイメージで、月一回、自分の身体の状態はどうなっているのか?
確認するための便利なツールへと変身する。

面白いのは、安部さんの場合には、東洋医学の「氣」「血」「熱」の3つで生理を捉えることだ。
そして、
月経の出口は「熱」をエネルギーにして「氣」が管理する
と考える点が面白く、血の塊や色を見ることで、「熱」が不足しているのか?「氣」が不足しているのか?もわかってしまう。
参考に、
「氣」は呼吸・食事から作る「体を動かすエネルギー」(感情・ストレスによって気を使うので消耗する、栄養補給が大事)
「血」は食事から作られる「体を潤し、栄養にする」(使うと汚れるので、睡眠が大事)
「熱」は氣と運動(消化器の運動も含む)から作る「体を動かすエネルギー」(暖めることで補給できる)
という意味を持つことになる。

そのことがわかると、
調え方もシンプルに考えることができて、
暖める(熱を補給するため)
睡眠(血をキレイにするため)
運動(汗をかくことは氣と血を巡らせること)
香(アロマ、発散を助ける)
を使って対処することになる。
常々、東洋医学と西洋医学のそれぞれの良さを生活の中に取り入れつつ考えていければいいと思っているが、物事の本質を捉える、安部さんのセミナーは本当に面白く、今回も学ぶことが多かった。
参加者は男性一人で、私が安部さんの生理の講座を受けた初めての男性。
ぜひ、男性に生理の知識を知っていただくと、女性の身体を理解することがもちろんだが、自分の身体の理解にも深まると感じた。

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