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【B#83】2017年末を迎えて〜年間ベスト3〜ヒューマニズムからデータ至上主義へ

2017年の1年間を振る時期になった。
今年は、念願の読書会をサロンZEROで年末開催することができた(「読書会の開催:価値観の似た仲間との出会いの場」参照)。
世界一周する3年以上も前に、20〜30冊/月のペースで本を読んでいたが(年間で250〜300冊近く)、世界一周を機に、断書を決断(「読書から離れて」参照)。自分の経験を重視しつつ、旅から帰国後してからも個人事業主としての活動を大切に、本から遠ざけるようにしていた。
2017年に入り、個人事業主としての活動も2年を迎え、本を手に取る余裕が出てきた。そこで、音読で本を聞くことができる、オーディオブック(オーディオブックの効用については「Audibleとairpodsでの読書を本格的に開始〜2週間実践してみてわかったこと」参照)から読書を本格的に再開。本年、洋書と和書を中心に100冊近く手にとってみた。
その中から、最も印象的だった本を3冊紹介した。

1冊目は、イスラエル人のYuval Noah Harariさん(以下Harariさん)の著作’Homo Deus – A Brief History of Tomorrow‘(日本語未訳)だ。
Harariさんの本は「サピエンス全史」が有名だが、この本はその続編。双方の本に共通しているのは、人類はどのようにして今の覇権を獲得し、今後どのように発展していくのか?人類史、心理学、栄養学、宗教学、経済学、科学等、ありとあらゆる学問を横断して、大きなフレームワークを提示しているところだ。
サピエンス全史では、人類が「認知革命」を経ることで人間が1つ集団として協力し合うことが可能となったが、それは共同幻想=虚構=Fictionを共有することができるようになったからだとHarariさんは述べている。
例えば、「貨幣」「国」「会社」「法律」「神話」「宗教」は、それぞれ実態のない虚構と捉えることができるが、人類を1つに束ねるのに大きな役割を果たした。

そして、21世紀、我々が共有している大きな宗教として、Harariさんは
「Humanism=ヒューマニズム」
という概念を提示している。
ヒューマニズムとは、個々の人間が尊重されるべきであり、全ての価値を与えるのは、個々の心という考え方。例えば、リーダーを選挙で選ぶこと、いい商品は市場に任せること、人権が優先されること、現代アートにおける内面の心の表現等。
面白いのは、知識に関して、
中世ヨーロッパの時代=「書物による情報収集」+「論理」
科学の時代=「実験による情報収集」+「数学」
ヒューマニズムの時代=「人生経験」+「個々の感受性」
とそれぞれ知識の入手の仕方に変化があると述べている。

そして、ヒューマニズムは限界を迎えつつあり、
「ビッグデータ至上主義」=「データイズム」
の時代へ移っていくということを述べている。
そこで、キーワードとして浮上するのが
「アルゴリズム」=「手順」
Harariさんによると、
アルゴリズムとは?
「計算をし、問題を解決ししていった上で、最終決断へ導くための一連の手順」
である。例えば、料理を作るにはレシピという手順があるが、これもアルゴリズムの一種である。また自動販売機で飲み物を購入する際、硬貨を入れてから飲み物が出てくるまでの一連の手順もアルゴリズム。

Harariさんは、人間には様々なアルゴリズムが身体内にあり、事例として五感や感情を挙げている。五感や感情が出てくるために、ホルモンを含め生体内で様々な生化学的な反応が起きてくるが、これも1つの決められた手順に沿って反応が起きている。今、遺伝学の研究が進んでおり、様々なアルゴリズム(全シグナル伝達経路の解明、ヒューマンゲノムプロジェクト等)が解明されてきている。
アルゴリズムのデータが大量に集積されていくと、いずれ全ての人間の行動は、データによって予測されるようになってくる。
Facebook、Google、Apple、AmazonなどのIT企業の行なっていることも大量のデータを集積し、未来を予測しようとしている点、似ているし、海外の観光客は写真を撮ってFacebookやInstagramにアップロードする姿が見られるようになったが、経験よりもデータを集積するという時代の流れで読むと現状の理解が進む。
なかなか1つの大きなフレームワークで捉える本が少なく、細部詳細に入っていきがちなので、本書は本当に貴重だ。早く日本語訳が出ることを望む!

2冊目は、アートと観察力について弁護士で美術史家であるエイミー・ハーマンが書いた「Visual Intelligence – Sharpen Your Perception, Change Your Life」(邦訳:「観察力を磨く・名画読解」)。
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詳細は「アートの本を通じて〜観察力をどのようにして磨くのか?」に記した。詳細は省くが、観察力を磨くために、動画をとるのではなく、五感や直感力、理解力、情報を吸収できる能力などを信じることの重要性が書かれていること、どのようにしたらその能力を磨けるのか?様々なヒントが隠されており、学ぶことが多かった。

3冊目は、医師の佐藤友亮さんによって書かれた「身体知性:医師が見つけた身体と感情の深いつながり」。身体と感情と関係について、医師の立場からの重要性について語っているが、
「身体を整えると心が整う」
その結果として
「人生の決断」
に大きな影響を及ぼすという視点で書かれた本として面白かった(「身体を使ってどのように人間は決断するか?〜西洋医学と身体知性」参照)。
2018年も色々な本と出会うと思うが、引き続き興味深い本は本コラムにて紹介していきたいと思っている。

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