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【B#56】意識と無意識とは?(2)〜相手に心が向いている状態の時に実力が発揮されることについて

本コラムの前回、意識と無意識について前野隆司先生、(以下前野先生)の「受動意識仮説」について紹介。
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受動意識仮説では、
「私たちの行動を本当に決めているのは、脳の無意識であり、意識はその決定を0.35秒後に受け取って「自分で決めた」と記憶しているだけではないか」
と意識と無意識について説く(「意識と無意識(1)〜意識は無意識の決定を記憶する装置?+物語を語る意識について」参照)。
そうはいうものの、ロルフィングのセッションを提供するようになって実感したのだが、身体と心というのは重要で、潜在意識に影響を及ぼすということは体感しているのだが(詳細は「なぜ、身体を整えると自分で判断することができるのか?〜身体を通じた潜在意識の書き換えとその意味」参照)
「潜在意識というものをどのようにうまく使い、整えていくのか?」
身体と心と結びついた形で、説明した本はなかなか出会うことがなかった。
今回、ゴールデンウィーク中に「無意識の整え方」という前野隆司先生(以下前野先生)を中心に合氣道(心身統一合氣道)家(藤平信一氏)、僧侶(松本紹圭氏)、パーソナルコーチ(山田博氏)、医師(稲葉俊郎氏)の合計4名の専門家と
「無意識についてどのように整えたらいいのか?」
について対談した本にヒントとなることが書かれており、興味深かった。
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藤平信一氏については「心を静める〜大事な場面で実力を120%発揮する方法」という本に出会ったことがある。
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身体と心は同じものであり、身体の状態を知ることで、自分の心がわかること、そしてその心を静めるにはどうしたらいいのか?心に目を向けること。そして、心を向ける際には、内向き(自分ことばかりに心を向けている状態)と外向き(相手のこと、周囲のことに心を向けている状態)の二つに分かれること、大事な場面で緊張しているときは、心は内向きになっていること、「相手が喜んでもらいたい」という状態が、相手に心が向いている状態。その時に、うまく実力が発揮されること、等が書かれている。
心が外向きになっている状態というのが「氣が通った」(ここでの「氣」の意味は、氣が交流している、もともと通っているもの、互いに交流するもの)状態。相手に100%向けられるから、相手の心がわかる。そして相手の心がわかったら、相手の氣を尊ぶことで、相手の立場に立つ。そして、最後に自信を持って行うという、実践的な原則論まで紹介されている。
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さて、本題に戻りたい。
前野先生との対談では、「氣が通った」状態とそうでない状態というのは姿勢や動作に現れることを紹介している。
その例として、
「(実際にやってみせる)相手を倒すことが目的だと、相手に抵抗されてしまいます。もし、相手の方が体格や強さが優っていたら、技をかけるのは大変です。ですから、考え方を変えて「大丈夫ですか?」と相手を介助しているような気持ちと体勢で組むんです。私たちの言葉で言えば「氣を通わせる」状態です。すると、相手と一緒に動くことになり、体格や力の強弱に関係なく、投げたり、倒すことができるのです」
が取り上げられている。
面白いと思ったのは、
「大丈夫ですか?」
と口で言っても、
潜在的な無意識のところでが違うと、うまくいかないとのこと。
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無意識の部分を変えていくような技の稽古が合氣道にはあり、技の「型」を繰り返すことで、意識する必要がなくなり、無意識を書き換えていくことになる。
繰り返しが重要なのは、稽古中に「投げたい」という「エゴ」が入ると、うまくいかなくなるからだ。
私も、アシュタンガ・ヴィンヤーサ・ヨガを10年以上実践しているが、
ヨガのポーズというのは、
「なんでできないのか?」
と追求すれば追求するほど身体が硬直し、できなくなってくる。
ある時点で
「できなくても、しょうがないや。今の現状を受け入れよう」
といった思考の手放しによってポーズが取れるようになることを経験している(「ヨガを日々に取り入れてから10年〜ヨガの実践を通じて何が変わったのか?」に詳細を書いた)。
そう考えると、人間というのは、意識的に学び、考え、物事に対処しながら成長するのだが、指導や教育する側が学ぶべき部分を相手に意識させてしまうと、可能性を狭めるという意味にも捉えかねない。
そう言った意味では、先生との出会いは本当に重要だと思う。
だいたい、最初のうちは、できないのは当たり前。先生はできないという気持ちがわからない場合が多いので、
「あなたはダメだ」「あなたにはできない」
を使ってしまうし、それが無意識にその言葉が届いてしまい、結果が出なくなってしまうわけだから。
藤平信一氏は、無意識のことを「心の倉庫」と表現。この材料によって人はできているので、無意識に良いこと、プラスの言葉を自分に伝えることの大切さ。マイナスの言葉を使ったら、すぐにプラスの言葉に切り替えることについて説いている。
スペースの関係上、残りの3人については次回触れることにする。
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