【W#90】ペルー(11)〜クスコとチョコレート
南米でチョコレートの元となるカカオの生産は15%と言われているが、そのほとんどがオーガニックで占められているところに特徴があるとのこと。
クスコに来て初めてそれを知ることができたが、実はクスコ市内にチョコレート専門の博物館がある。そこでチョコレートの原料となるカカオに触れるワークショップに参加することできた。
午前10時、午後1時半、午後4時と3回行われるワークショップのうち、私は2014年1月4日、午後1時半開始に申し込んだ。参加者は5人。残りの4人は全てオーストラリアからだった。
まず、チョコレートの元となるカカオについての説明から入った。南米の生産が15%でほとんどがオーガニックであることや赤道周辺の緯度で作られること等。一人あたりの年間100gのチョコレートを消費する数でみると、スイスが一番で119枚、日本は21枚。意外と少ない(下記の写真を参照)。
チョコレートの生産は意外と工程が多く労働集約的な仕事である。カカオ豆の収穫後、豆を包むパルプとともにバナナの葉でくるみ、数日発酵させる。その後天日で乾燥させ、工場へ運ばれる。乾燥させたカカオ豆からワークショップは始まった。
この段階で皮をむき(手で押すことで簡単に剥くことができる)、味見。カカオ豆の味見はもちろん初めて。非常に苦味を感じた。カカオ豆。実は、昔は貴重品でカカオ豆が5つあれば、クスコでも食することができるモルモット(Guinea Pig)を入手できたらしい。
この後、カカオ豆を焙煎する。カカオ豆に火を通ることによって、酢酸が除かれてまろやかになり香りや風味が現れてくるとのこと。実際に、強いチョコレートの匂いがするのと同時に、カカオ豆の皮がむきやすくなった。
参加者5人と一緒に与えられたカカオ豆の皮をむき、中にある豆を取り出す。
磨砕機をつかって細かくしていくと、ペースト状になる。なぜならば、カカオ豆には55%の油脂分が含まれているからだ。
磨砕機で細かくしていくプロセスではコンテストを行い、一番ペースト状の良いものには景品が。私ともう一人と同時優勝となり、景品としてカカオ豆の皮が入った袋をいただくことができた。カカオ豆の皮+お湯と砂糖を少し加えることで紅茶として非常に美味しいので、ぜひ帰国したら重宝したいと思う。
ちなみに、もっと細かく破砕していくと以下のように完全にペースト状になる。これがミルクチョコレートとダークチョコレートの原料となる。
ちなみに、ミルクチョコレートは牛乳と砂糖、ダークチョコレートは砂糖をそれぞれ加えることで作成する。ホワイトチョコレートについては、油脂部分が白いので、その部分を使って作るとのこと。ちなみに、油脂の部分は美容にもいいとか。
我々で作成したペースト状のカカオ(カカオマスともいう)をチリ、はちみつとお湯で割ったものをいただいた。チョコレートはメキシコのマヤ帝国まで遡ることができるとのことらしいだが、これが原始的なチョコレートの形態らしい。
味見してみると、チョコレートのイメージとは若干離れている印象があり、興味深かった。
最後にカカオマス、シナモンと牛乳で割ったホットチョコレートをいただいた後、いよいよ液体状のチョコレートを型に入れて自家製のチョコを作る工程へ。
そこに、シナモン、M&M、アーモンド、レーズンを混ぜることで自家製チョコを作った。
まさかクスコにきてチョコレート作りを体験できるとは思わなかったが、クスコの市内観光を行なっていると、チョコレート販売店が幾つかあることに気づく。しかも、100gのチョコレートは27ペルーソレス(約1,080円)もする。オーガニックのチョコレートなので仕方がないとはいうものの、値段が一桁違うのではないかと疑ってしまう。
このように旅は予想外の出会いがあるから面白い。今回のチョコレートの体験は、同じ旅仲間から勧められて参加したもの。これからも、旅先で何か面白いものがあったら体験してみたいと思う。