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【W#75】ボリビア(3)〜ポトシと鉱山

2014年12月17日、ボリビアに入国してから5日目。ウユニ塩湖を経て世界で最も標高の高いポトシ(Potosi)市に到着した。ウユニ市からバスで約4時間。久々に舗装された道を3,600m〜4,200m近辺の標高を移動しながら、北上しポトシ市へ。
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ポトシ市は標高約4,070m。そこに約240,000人が住む。この都市はスペイン植民地支配の時代にその背景にある山で大量の銀が採取できたため、1500年代には南米ではもちろんだが、世界史的にみても大きく繁栄した。当時20万人いたと推定されている。
view of Potosi
到着した当日は、ポトシ市とウユニ塩湖が共に2015年ダカールラリーの舞台になるためその祝い行事が行われ音楽やライトアップがされていた。気温は15度前後と今までの場所に比べれば涼しい。
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翌日(2014年12月18日)、鉱山へ向かった。4時間にわたるセロ・リコ近辺にある鉱山ツアーに参加するためだ(費用は150ボリビアーノ(約2500円)。
セロ・リコとは豊かな丘というスペイン語に由来、スペイン人によって1500年代に発見された。銀が大量に発見されたが、その採取の過程で危険が伴う。大量の埃が舞い、45〜50歳までに肺がんで亡くなる。
ガイドによると、大量の奴隷が強制的に働かされ推定で約800万人が犠牲になったという。「人を食う山」として恐れられた鉱山は、19世紀までに銀が枯渇。19世紀には錫が大量に取れるようになり、一時その勢いを取り戻したが、やがて20世紀に入り枯渇していく。この都市での雇用が少なく、最も手っ取り早く働けるのが鉱山。現在でも、この鉱山は稼働していて、低賃金で4,000人近くが働いている。中には幼い子供も含まれる。後に述べるが、労働環境は劣悪である。
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CIA fact bookによるとボリビアは5つの国(アルゼンチン、チリ、ブラジル、ペルー、パラグアイ)に囲まれた内陸国で人口は約1,060万人。人口構造の中央値が23.4歳と若く、これからも人口増加が見込まれている。残念ながら教育が行き届いていなく、読み書きができる女性が少ないとも。
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天然資源(天然ガス、リチウム等)が豊富にもかかわらず、ボリビアは「黄金の玉座に座る乞食」といわれるように、今でも南米の中でも最も貧しい国である。
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さて鉱山ツアーだが、埃対策を含めて汚れるので下記の格好に着替えて出発した。
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Minerと呼ばれる鉱山労働者は、鉱山の中に何時間も入っている必要があるため、食事が最小限にしか取れない。食欲を抑え、疲労を解消させるためにコカの葉を一袋摂取し、埃対策として特殊なタバコを吸う。
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また、ダイナマイトも使うケースが多く、ポトシ市ではボリビアで唯一購入可能で、20ボリビアーノ(約380円、1ボリビアーノ=17円)で入手出来る。
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Minerのため、ツアー参加者はお菓子3個とエネルギードリンク2個を購入(24ボリビアーノ(約400円))。鉱山の中でMinerに手渡しする。これらをリュックに背負いながら向かった。
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鉱山に到着後、トンネルの入りヘルメットの懐中電灯を支えに奥へと入っていった。
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ガイドの案内に従いながら、鉱山から採取した鉱石を手動で鉄道を通じて引っ張る人、上から下へ物を運ぶ人、鉄道を整備する人、ダイナマイトを仕掛ける人等を含め、約1時間半。労働環境が劣悪で、標高が高いというのもあり、トンネルが狭く、呼吸しにくい場面もあった。その上、賃金も日計算で支給される(最大で200ボリビアーノ(約3,400円)。
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miners
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また、休憩室にはティオ(TIO)と呼ばれる坑内の安全を守る神様が祀られている。
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ティオにたばこをくわえさせ酒(なんと96%近くの濃度のアルコール)を捧げることにより機嫌を取ることで、坑内の安全を祈願する。
旅というのは予想外のことを発見することが多いが、この鉱山もその一つ。奴隷制度の負の遺産として世界遺産に登録されている鉱山は、ここに来るまでは全く知らなかった。
ポトシ市に2日間滞在した後、次の目的地のスクレ(ボリビアの憲法上の首都)に向かう予定だ。ポトシはボリビアの中では貧しい町の一つであるが、スクレには鉱山のオーナーが住む町で裕福な場所である。その対照的なところを知る上で興味深い体験になると思う。

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