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【J#113】大原美術館+倉敷美観地区を巡って〜瀬戸内海の旅⑨〜

はじめに

東京・渋谷でロルフィング・セッションと脳科学から栄養・睡眠・マインドの脳活(脳科学活用)講座を提供している大塚英文です。

2024年7月26日の1630頃、松山空港に到着。2024年7月26日〜7月31日の5泊6日で、瀬戸内海(松山、尾道、広島、岡山)の4都市を巡る旅をスタートさせた(旅の企画の模様については「旅の企画+4都市を巡って感じたこと」に書いた)。

旅も最終日の6日目(7月31日)を迎えた。当初、直島へ行く予定だったが、4日目の葦嶽山・鬼叫山、5日目の岡山の神社仏閣巡りで体力を消耗したので、インドアで楽しめる倉敷美観地区と大原美術館を楽しもうと、岡山駅から倉敷駅へ移動。倉敷観光を楽しんだ。今回は、この模様について紹介したい。

城山三郎さん+大原孫三郎さんと大原美術館

私は、伝記小説の作家・城山三郎さん(1927年〜2007年)の大ファンで、何冊か手に取って読んでいる。中でも倉敷出身の大原孫三郎さんを扱った本「わしの眼は十年先が見える: 大原孫三郎の生涯」には強い印象を持ち、いつか孫三郎さんが作った大原美術館と倉敷を訪れたいと思っていた。

地方の一紡績会社(クラレ、倉紡)を有数の大企業に成長させた経営者として知られているだけではなく、社会から得た財は全て社会に帰すという信念。この二つをバランスよく使い分け、社会思想の研究機関を治安維持法の時代に設立。更に、倉敷に東洋一を目指す総合病院(倉敷中央病院)等を作る。

城山さんが「あとがき」に以下のようなことを書いている。

「(大原美術館を)訪ねてみると、その展示品は超一流画家の代表作揃い。そのすばらしさに圧倒され、なぜもっと早く訪ねなかったのか、と悔やまれた」

「しかもこれが日本にまだ美術館のない昭和のはじめ、地方の一実業家の手によってつくられている。いや、美術館だけではない。二つの大企業と七つの研究所と大病院が残され、いまも社会に貢献している」

「それらは、正真正銘の力強い企業文化でもあった。バブルにつれて生まれ、バブルとともに消えたメセナなどというやわなものとは、まるでちがう」

20年前に出会った本だったが、頭の片隅にいつか大原美術館に行きたい!という思いがあった。今回、岡山を訪れたのを機に、タイミングが合い倉敷を訪れることができた。

商店街と倉敷美観地区へ

JR岡山駅で、岡山在住の友人、永山一彦さん(以下カズさん)と待ち合わせ。JR山陽本線に乗車し、倉敷駅へ。17分で到着した。

倉敷駅前にはスターバックスもあり、開けた印象がある。歩道橋を渡り、降りていくとすぐに商店街がある。暑さを避けるのには、うってつけの場所で、昭和時代を感じさせるような店が並ぶ。

向かう先は、倉敷美観地区。

昼食を取るため、喫茶ウエダでカレーをいただく。喫茶店の奥には(写真を撮るのを忘れた)、今回の旅でたびたび見てきた大きな巨石があった。

倉敷美観地区が見えてきた。左に川、右には昔の風情を感じさせる家屋が。日本全国、もっとこういった建物が保存していれば、観光客を呼べるのに、というのが第一印象。素晴らしい景色がしばらく続いた。

やがて、カフェ・エル・グレコに到着。大原美術館横にそびえる風格あるカフェで、今回は入らなかったが、目立つ位置にある。

大原美術館と西洋美術〜選択基準が明確

隣の大原美術館に到着し、入館することにした。入館料は、2,000円と高価格だったが、見る価値は十分にある。

大原美術館は、実業家の孫三郎さんが、前年死去した画家・児島虎次郎を記念して1930年に設立した、日本で最初の西洋美術中心の私立美術館として知られている。

友人だった虎次郎さんの才能、美術に対する真摯な姿勢を高く評価した孫三郎さんは、ヨーロッパへの留学を促す。ヨーロッパで制作に営みながら、ヨーロッパの美術作品の収集にあたるようになる。虎次郎さんのアートに対する選択眼が大原美術館の作品たちに表れている。

エル・グレコ、ゴーギャン、マティス、といった作品のみならず、中国やエジプト美術にも広げていく。今までいろいろな美術館を訪問したが、美術作品の選び方の基準が明確だということもあり、非常にわかりやすく展示品、一つ一つ吟味することができた。

興味深いのは、孫三郎さんとその息子の總一郎さんは、民藝運動に共鳴し、支援していた点だ。民藝運動を支持した6人の作家(濱田庄司さん、バーナード・リーチさん、富本憲吉さん、河井寛次郎さん、棟方志功さん、芹沢銈介さん)による工芸品が展示されていて、特に棟方志功さんの作品は強く印象に残った。

倉敷にこのような総合的な美術館があるのが素晴らしく、心から感動。もう一度行きたくなる。そういった美術館だった。

倉敷を散策、岡山に戻る

倉敷美観地区を散策し、かき氷を食べた後、岡山駅に向かって戻った。

午後6時、岡山駅に戻り、バスで岡山空港へ。羽田空港の雨により、飛行機の到着が遅れたこともあり、午後8時半に岡山空港を出発、無事羽田空港に到着した。

今回、倉敷を観光するにあたって、カズさんには色々とご案内いただいた。改めて感謝申し上げます。

5泊6日の旅を終えて

今回は、盛りだくさんの5泊6日の旅。奇跡的な出会いや、ご縁に恵まれ、やはり、観光地巡りも大事だが、人との出会い、新たな環境を体験する大切さ、そして仕事から離れエネルギーチャージすることの重要性を感じる旅になった。

今後とも、いろいろな場所を訪れ、世界観を広げていきたいと考えている。今回の旅をするにあたって、さまざまなご縁をいただきました。感謝しています!

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