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【N#8】地粉のお茶会(3)~食事は何でできているのか?〜小麦を中心に

2018年11月25日(日)、午後2時から午後5時までサロン・ZEROで地粉のお茶会(以下、本イベント)を開催した。

日本人が昔から食べていた小麦粉、地粉を使って作られたスコーンやクッキーでアフタヌーンティースタイルで毎回提供。
本イベントで3回目となる(2回目の模様については「地粉のお茶会(2)~地粉とグルテン〜食について語る会になった」参照)。
料理を担当したのが妻の亜希子。

今回、全粒粉でできた全粒スティックを作ることができなかったので、代わりにマーラーカオ、生チョコレート、チェダーチーズ風クッキー等を提供した。

マーラーカオは、マレーシアを示す「マーラー」と、ケーキやカステラの「カオ」が組み合わさった言葉。中国発祥の「中華蒸しパン」で、日本には江戸時代に伝わったという。
マーラーカオは、豆乳と米油を乳化したものを小麦粉(農林61号を使用(この小麦については「地粉のお茶会(2)~地粉とグルテン〜食について語る会になった」参照)、きな粉、メープルシュガーに混ぜて10分寝かせる。最後に、重曹とベーキングパウダーを混ぜた直後に醤油を加え、膨らませる。重曹は横向き、ベーキングパウダーは縦向きに膨らむので、蒸しパンのような形になる。
スコーンの場合には、縦に膨らませたいので、重曹ではなく、ベーキングパウダーを使って作られる。


生チョコレートは、液体状にしたココナッツ・オイル(融点が25度)にココアパウダーとアガベシロップを入れて作ることができる。

チェダーチーズ風クッキーは、酒粕、豆乳、米油、メープルシロップ、小麦粉、塩(2種類)を使うことで作ることができるが、唯一、塩味の効いたものになっている。
一つ一つ、作り方とどのような材料を使ったのか?説明しながら、お茶会は進めていった。

実は、
「どのような食材を使って料理をするのか?」
は、
「食事がどのように消化・吸収され、栄養となるのか?」
以上に大切。
しかし、現代社会。外食が多いため、なかなか意識されることがない。
今回、
「食材(小麦、トウモロコシ、大豆、家畜)が、どのようにして作られるのか?」
を知ることの大切さを伝えるため、
小麦がどのように育てられるのか?
について情報をシェアした。

参考にしたのは、William Davies博士の’Wheat Belly’(邦訳「小麦は食べるな!」)だ。
古代からの小麦の歴史を紐解き、染色体の数が14、28、42本からなる3種類の小麦の種類があり、品種改良をへて、現代の小麦に至っているという。
中でも、転機となったのは、石油産業の勃興だ。
石油で財を成したジョン・ロックフェラーが設立したロックフェラー財団が、メキシコにあるIMWIC(the International Maize and Wheat Improvement Center)をメキシコ政府とともに1943年設立。メキシコ政府は気候的に2期作ができるために、選ばれたという。
石油由来の窒素肥料を使うと、小麦は背丈の長いものになり、自らの重さに耐えることができず枯れてしまう。そこで、窒素肥料に適した背丈の短く、収穫量の高い小麦種(high yielding dwarf wheat) を開発するのに成功。短い生育期間で、生産量が多くなることから先進国のみならず、発展途上国でも爆発的に普及。同開発者のDr Borlaugは、1970年にノーベル平和賞を受賞している。

しかし、収穫量増大、コスト削減、大規模生産へと向かい、人間の健康に対する影響についての配慮がなかった中で品種改良進んでいった。それが問題となって、小麦由来のグルテンによって引き起こされる、シリアック病(罹患率1-4%)の罹患率が19世紀に比べ増えてきている可能性をDavis博士は指摘。
グルテンの構成成分の一つである、グリアジンは食物の消化吸収に悪影響を与え、免疫反応を引き起こしやすいこと。グルテンの分解物は血液脳関門を突破し、脳へ直接作用、小麦の依存性を生み出しやすくなること、が知られている。
小麦を構成する炭水化物には、アミロペクチンAが入っており、身体内のアミロースによって分解受けると、砂糖と同じぐらい、急激に血糖値をあげることで、中性脂肪を蓄積することもわかってきている。
日本の9割が外来産の小麦。讃岐うどんもオーストラリア産が使われていること、家畜用飼料も外国産の小麦が使われている事実など、を紹介。
野菜は栄養価的に低くなっているのは、土壌の状態に変化があるのだ、実際に生産している農家さんを見る必要がある、こと等の意見があり、毎回違う話題で盛り上がるのが本イベントの特徴になっている。
次回は、2018年12月に開催予定です。
またご案内させていただきますので、興味がありましたらお問い合わせください。

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