【P#36】新型コロナウィルスへの対処の方法(1)〜何がわかっていて、検査の方法+どのように対処したらいいのか?
2020年に入り、日本ではコロナウィルスの話題で持ちきりだ。
薬局・コンビニでは、マスクの在庫が一掃され、マスクの原料がなくなるとの恐怖感から、トイレットペーパーやティッシュペーパーの買いだめ運動に発展している。
*実際は下記のデータが厚生労働省から公開されている通り不足していない。
ウィルスは「目に見えない」ため、知識がないと恐怖に陥りがち。
大事なのは、自分でしっかりと必要な情報をとってきて、行動することだと考えている。
そうはいうものの、どういった情報をとってきたらいいのか?わからない人も多いと思う。
そこで、免疫を専門に大学院で研究をしていた経験もあるので、どのようにコロナウィルスに対処したらいいのか、まとめていきたい。
マスコミやウェブで様々な情報が出ているが、
もっとも信頼できる情報源は、
1)厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」
2)高山義浩先生のFacebookページ(公開されているので誰でも閲覧可能)
3)米国のCDC(Center for Disease Control and Prevention) の「Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Situation Summary」
4)国連のWHOの「Coronavirus disease (COVID-19) outbreak」
だ。
中国の武漢の魚市場で売買されていた動物を介して新型コロナウィルスは全世界へと広がった。
コロナウィルスは、7種類ある。
コロナウィルスのうち4種類は一般の風邪の原因の10%〜15%(流行の時期は35%ほど)と言われており、多くは軽症で完治する。
そして、2種類は大きな社会問題となった。
2002年に発生した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」と2012年以降に発生した「中東呼吸器症候群(MERS)」だ。
そして、最後の1種類は、今話題になっているウィルスの名前はSARS-CoV2で、引き起こす症候群は、coronavirus disease 2019(COVID-19と略す)と呼ばれている。遺伝子配列を調べた結果、コウモリ由来ではないか、と推測されているらしい。
2020年2月25日に政府が新型コロナウィルス対策を発表。1〜2週間が勝負で、小中高の学校を閉鎖することやイベントを控えるというのは、上記の図のように流行のピークを下げることを目的としている。
実は、子供が感染すると、家庭内で大人や高齢者に広まりやすい。経済的に大人が休むとなると打撃を被るので、学校閉鎖を行うのは、理にかなっている。現に、イタリアでも学校閉鎖が行われているので、日本だけではない。
詳しくは、「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」に書かれているのでぜひともご参考にしていただきたい。
コロナウィルスの構造は外側にある殻蛋白質(エンベロープ)と内部の遺伝情報(核酸、RNA)からなる。殻蛋白質は太陽のコロナの形をしているのでコロナウィルスと呼ばれている。
コロナウィルスは目に見えないため、検査でどのようにして目に見えるようにするか?になる。
外側の蛋白質を検出する方法と内部の遺伝情報を検出する方法と2つある。コロナウィルスは7種類あるので、外側の検出方法だと、新型と旧型のコロナウィルスの区別ができない。
そこで、内部の遺伝情報を検出するPCR(Polymerase Chain Reaction)法が使われる。
PCR法は、以前大学院時代でも頻繁に使っていたが、試薬を含め高価。コストがかかる。
それだけではなく、新型コロナウィルスには、潜伏期間(WHOによると、現時点で潜伏期間は1-12.5日(多くは5-6日))がある。
同期間、身体内で潜伏するため、PCR検査を行ったとしても、検出できない。つまり、新型コロナウィルスに陽性であっても、陰性になる(偽陰性と呼ぶ)可能性が高い。なので、PCR検査自体、完璧な検査でないことを認識する必要がある。
新型コロナウィルスに感染してしまった場合には、どれだけ重症になるのか?
中国疾病対策センター(中国CDC)の、新型コロナウイルス感染症と診断された約44,000名(2020年2月11日現在)のデータを見ると80%は軽症になるらしい。
そして、新型コロナウィルスに感染した際に、国内でウイルスによる熱や咳などの症状の緩和を目指す治療(対症療法)が行われ、功を奏しているとのこと(詳しくは「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」参照)。
このように厚生労働省の情報を調べていくと、自分でどのように予防して対策をとっていたらいいのか?パニックに陥る必要がないことがよくわかる。
なお、新型コロナウィルスは、アルコール消毒、石鹸(界面活性剤)による手洗い、うがい、等、インフルエンザウィルスの対策と似ている。
ウィルスは「目に見えない」ので恐怖を感じやすい。必要とする情報は何か?そしてどのように対策を取ればいいのか?考えるとことで、対策は取りやすいと思うので、ぜひとも厚生労働省のページをご参考いただきたい。