【R#229】場が、心理的にみて「安心」「安全」かどうか?どのように作るのか?〜「発言」を自由にすることが「安全」か?
目次
はじめに
こんにちは!東京・渋谷(恵比寿)でロルフィング・セッションと栄養・タロットカウンセリングを提供している大塚英文です。
先月(2022年2月)に
「安心・安全な場って何?」
について考えさせられる経験をしたのでご紹介したい。
自分の置かれている「場」が「安心」「安全」かどうか?〜発言を自由にすることか?
モデレーター1名と、参加者6名のZOOMの会で、一人一人の体験を聞いた上で、助言・アドバイスをしていく。しかし、自分の当番になった時に、安心安全な場と感じることができず。批判も受けたし、人格を否定されたような感覚を受けた。
あまりにもひどかったので、数日考え込んでしまったほどだった。
数日後、モデレーターにメールにて
「「安心」「安全」な場ってなんでしょうか?」
と伺うことにした。
答えは
『言葉狩りをせずに発言を自由にする事』
だった。
一見、この答えは正しいように見えるが、実は違うのだ。
発言を自由にすることは「安全」ではない〜具体的にどう発言するか?が重要
なぜなのか?
「言葉狩りをしない」
「発言を自由にする事」
自体、抽象的。
自分や相手がどのように行動したら「安心」「安全」な場になるのか?
全く何も語っていないのだ。
やばいのは、
参加者一人一人が
「相手に対してどのようにアドバイスしたらいいのか?」
具体的に説明がなく、自由に発言させると、
なんでも発言してもよく、自分が傷つかない発言でも、相手を傷つける可能性が高い。
何に傷つくのか?自体「価値観」の問題なので、難しい。
ロルフィングのトレーニングで学んだこと〜どう行動したらいいのか?
実は、私が、安心・安全な場を意識するようになったのは、ロルフィングのトレーニングからだった。
面白かったのは、
「安心」「安全」の場=「発言の自由」
でなかったことだった。
当時のトレーニングには、
興味深いことに
「安心」「安全」な場を整えるために必要なこととして、A41枚に文書として事前に配布されていたことだった(詳しくは「フィードバック〜トレーニングではどのようにして評価を受けるのか?」参照)。
文書の中には、
1)練習相手で組みたくない相手を事前に申告する(組みたくない相手と組むと「安全」が担保できない)
2)相手に「アドバイス」するときに自分なりに解釈したこと(意見も含む)をいうのではなく、具体的に説明する。なぜ(why)よりも何(what)を大事に一般化するのではなく具体的に。
3)気に入られることや不愉快な思いを感じてそれを解消するために「アドバイス」することは避ける。飽くまでも相手に有益になるようなことを意図すること。相手をリスペクトすること。
4)「アドバイス」を受け取ることによって自分はどう変化するのか?観察してみる。オープンなマインド(例えば、正直に、自分に対していたわる気持ちで)になること。内容がわからない場合には聞く。理解するのに時間をかけること。
5)学習の機会と捉える。他人がオープンに親切に伝えていることに対して感謝することを忘れない。
大事なのは、具体的に「アドバイス」することって何か?
行動に落とし込み、学習の機会として捉えるように言語化すること。
学校教育は「暗記」や「正解」は何で試される。
しかし、アドバイスは「正解」「不正解」かどうか?は試してみないとわからない。
更に、失敗することがある。
失敗が許容されるためには、どのような発言をしていったらいいのか?すごく大事になる。
これが担保されて、
「言葉狩りをしない」
が初めて実現するのだ。
残念なことに、自分が「安心」「安全」な場を理解していても、相手が同じように理解しているとは限らない。
しかも、このような考え方は、自然と身に付くものでもない。
相互に理解していなければ、場は作られない。
あくまでも双方向なのだ。
スキルの一つなので、モデレーターのスキルが求められる。
まとめ
今回の収穫は、自分がいざファシリテーションをするときに、安心・安全な場を作る上でどう工夫したらいいのか?考えさせられる経験になった。
これから、セミナーの中で、グループ・ディスカッションが増えてくると予想しているが、どのような場を作ったらいいのか?失敗経験を生かしていきたいと思っている。